プロ野球選手のストライキを支持する。
2004年9月19日


 球団経営の悪化について考えてみる。球団経営の悪化はプロ野球の人気低下の結果だ。大リーグやJリーグの人気も影響しただろう。しかし、大きな原因としてプロ野球の人気の牽引車だった巨人の人気低下がある。
 巨人の人気凋落の一因は助っ人が巨人選手の主体となったことが上げられる。生え抜きの選手主体で優勝してこそファンはうれしい。生え抜き選手の成長の中にこそ物語が、真のドラマがある。生え抜きの選手が活躍してこそ、ファンは嬉しい。生え抜きの選手が活躍してこそ、二軍を含めたチーム全体の活気が生まれる。助っ人の選手が主体ではファンのチームへの愛着が薄れるのが人間の心理というものだ。だから、巨人が優勝してもファンの喜びは薄れた。私は生え抜きの選手主体で巨人が優勝を繰り重ねていたころ、巨人がとても好きだった。しかし、今では熱が冷めてしまった。また、大味な大砲を並べられる限り並べるのは戦術的にも疑問である。こういう野球を推進してきた前オーナーは巨人の人気の破壊者だ。その年の優勝を近視眼的にしか考えなかった極めて視野の狭い人物だったと言わざるをえない。
 今また、長い間親しまれて来た二リーグ制が破壊されようとしている。来期からの新球団参入を認めないのはその明確な現れだ。ここで妥協したら、二リーグ制はなし崩し的になくなって行く。プロ野球選手会の判断は正しい。そして、今回のプロ野球選手のストは適法なストライキだ。古田選手会長の言うとおり、球団の合併と一リーグ制への移行は選手の労働条件に直結するからだ。一例を挙げれば、一時的な救済措置があるかもしれないとはいえ、一軍選手として働ける一軍選手枠が減少することは労働条件の明確な悪化だ。今回のストには当然、労働法上の免責が働く。
 そして、プロ野球球団の経営は本業の黒字を球団の赤字に注ぎ込む覚悟で行うべきものだと思う。赤字が続いたからといって今までの赤字を埋め合わせるために球団を合併させて、一つの球団を消滅させるのは間違いだ。少なくとも球団を残す球団売却の道を選ぶべきものだ。それを経営会社の都合により、ファンの愛する球団を一つ消滅させるのは経営会社の身勝手だ。
 だから、プロ野球球団経営は赤字を負担できる元気な企業が行うべきものだ。今、球団を経営している企業も球団経営を始めたころは新興の元気な企業だったはずだ。新たな企業が参入できれば、球界に活気も生まれる。近鉄とオリックスの合併が解消できないというなら、選手会は来シーズンからの新規球団の参入を勝ち取らなければならない。それがスト妥結の最低条件だと思う。それから、合併後の新規球団の参入は加盟料をゼロとすべきだし、予め提示されたプロ球団経営の最低条件を満たしていれば認めるべきものだと思う。また、新規参入を希望する会社が複数あれば、公平に審査して優れた方を加入させるべきだと考える。
 巨人の前オーナーが我がままできたのも巨人が大きな資金を持っていたからだ。大きな利益を上げている球団から利益を吸い上げ、各球団の財政状況を均衡させる制度を設けるべきだ。人気球団は人気があるのだから、ただでさえ、何もしなくても選手が集まる。それに加えて大金で釣ることまで許す必要はない。人気球団の経営努力を殺がない形で工夫して、多数の助っ人をかき集める金を吸い上げるべきだ。プロ野球を支えているのは全球団とファンなのだから。




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