内閣総理大臣、官房長官、外務大臣の靖国参拝は止めるべきだ。

2005年7月12日



 中国の日本大使が、「その他の政治家の参拝は認められるが、内閣総理大臣、官房長官、外務大臣の靖国参拝は行わないと言う日中の紳士協定があった」と言った。しかし、細田官房長官はこれを否定した。小泉首相はどのような立場から、A級戦犯と呼ばれる方々を合祀する靖国神社の参拝を行っているのだろうか。
 慰霊と平和祈願のためという論理は、日本国民には通用するだろう。しかし、中国には通用しない。A級戦犯と呼ばれる方々が太平洋戦争、日中戦争を推進してきたことは明らかである。そして、日中戦争のことを中国は明らかな侵略戦争だとし、これに対して、日本は謝罪してきたからだ。少なくとも、内閣総理大臣、官房長官、外務大臣が参拝を止めなければ、中国は納得できないだろう。
中国政府と中国人民は、日本の首相が現在の靖国参拝に参拝しないことを、日本が中国に対する戦争を反省したことの象徴と捉えている。だから、日本の首相が靖国神社に参拝すれば、事実として中国政府と中国人民の感情は傷つく。中国政府の感情が傷ついたから、それを表すために、沖の鳥島を日本の領土ではないといったり、日中境界付近でガス田の開発をしたりした。日本の常任理事国入りに反対している。中国人民の感情が事実として傷ついたので、反日デモが起こった。靖国参拝の善し悪しは別として、事実として、中国の感情は傷ついた。首相の靖国参拝は、事実として日中友好に反する。今、日本は強い立場にあるが、その主張を貫けば、中国の悪感情は深く内向する。
小泉首相が登場して靖国参拝を行う前は、中国と日本の関係は円満で無理な要求を突きつけることも無かった。今回も、内閣総理大臣、官房長官、外務大臣だけ靖国参拝を止めれば、満足すると言っている。靖国に関する中国の要求を飲んでも、中国が要求をエスカレートするとは、思えない。
日中友好は大事である。これから、日本と世界は大変な時期を迎える。それを乗り切るためには、日中友好と日本の安保理常任理事国入りは極めて望ましい。これに首相の靖国参拝は反している。日本の国益に反している。世界の利益にも反している。靖国参拝が総理の信条だとしても、日本国の首相として、政治家として、国益を優先するのが当然ではないだろうか。町村外相は日本の常任理事国入りは容易ではないと言う。ならば、常任理事国入りを出来る限り容易にするために小泉首相の靖国参拝は止めるべきだ。
中国の傷ついた感情を慰撫できないのに、内閣総理大臣、官房長官、外務大臣の靖国参拝を行うべきではない。内閣総理大臣、官房長官、外務大臣がこれからも靖国参拝を続けるなら、「歴史認識が誤っているのだから、これまでの謝罪も心からのものとは受け取れない」と言う中韓の立場を正当化することになる。これまでの、謝罪とその政治的成果を無にすることにつながる。日中友好を破壊することになる。
それから、中国政府と中国人民にお願いする。日本国民すべてが、首相の靖国参拝を支持している訳ではない。私も含めて多くの日本国民がこの事態を憂慮している。日中友好が大事なら、「反日」ではなく、「反小泉」と「反日本反動勢力」にしてほしい。むやみに「反日本」を唱えるのは止めて欲しい。
小泉首相が郵政民営化で自分の主張を貫く傲慢さを反省して、慎重になると言う。小泉首相にお願いする。靖国参拝でも、自分の主張を貫く姿勢を反省して欲しい。そして、中国に反省の姿勢を示すために、今後、首相の間は靖国参拝をしないで欲しい。そして、もしも、首相を止めたとしても、その直後の8月15日に靖国参拝をすることはやめて欲しい。





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