★第一哲学講座-魂について

前回の続きから述べます。
唯物論ではスクリーンと主体の分裂を克服し得ないと述べました。
精神という範疇を認め、
精神とは生命の本質であるとともに、
イデアを宿すスクリーンでもあることにより、
この分裂が克服されるのです。
そして、精神は生命の本質であるからには
人間存在の平等も基礎づけるものでなくてはなりません。
精神は価値的に平等でなければなりません。
ですから、「新しい哲学の原理」
(デカルトに「哲学の原理」という著作があることから論文名を変えました)
では精神を無色なものとして論述をしました。
また、魂ではなく、「精神」という名を与えたのは、
魂にはあの世に関係する響きがあるからです。
では、精神という範疇で全てが解決するでしょうか。
以下の議論は仮のものです。
確定したものではありません。
魂はイデアの一種ではないでしょうか。
人間の魂とは精神に恒常的に宿り、
人間の精神に基本的な色や形を与えるイデアの一種だと考えられます。
これ以上はあの世に立ち入ることになるので、
ここでの魂の議論は終えます。


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