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 第3章 銀河旅行


図7 相対論による宇宙船の速度と質量

図8 相対論による宇宙船の速度と時間

図9 宇宙船の経過時間と速度

宇宙空間で長時間の大きな一定推力の飛行が可能となったとして、恒星間旅行に十分なスペースと、強度を確保するため、荷物なども含めて総重量、M=1万トンの恒星船を建造するとする。推力を徐々に増加した後、一定推力を保つなら、加速度の人体への影響は余り無いので、宇宙船は30gまでの推力を出し得るとする。すると、負世界突入には【18】のように約18.54日、すなわち0.0508年かかる。
[秒]
[日]
[年] 【18】


 質量1万トンであり、10万kwの原子炉を積んだ30gの推力を出し得る宇宙船の飛行プランを考えてみる。
30gで1cだけ速度を増加するのに要する時間は【34】(3×10の八乗は光速度)より、約0.03236年。
図9のように速度を0からkcまで加速し、kcから0まで減速したときに到達できる距離と必要な時間は次のようにして求められる。
距離は【35】式。時間は【36】式。

[日]
[年] 【34】

[光年] 【35】

[年] 【36】

地球から4.3光年離れたα・ケンタウリへ行くのに必要な時間を求める。
【37】を解くと【38】となる。

 【37】

[c] 【38】

【38】を【36】式に代入して
約0.78年となる。
宇宙船時間で二年内で地球からα・ケンタウリを往復できることになる。
 また、図8のように地球時間では、【3】により負世界での超光速飛行中にウラシマ効果の逆が生じ、これよりも短い時間となると考えられる。
 そして、【2】によれば、図7のように負世界での超光速飛行中には質量が減少するが、その影響は無視した。

いわゆる超光速飛行が可能となることを示した。この可能性を示す方向で理論構築した点、心配が残る。πmc/2で負世界に突入することは確実だと考えているが、負世界から確実に帰還できるのかと。しかし、私は、負世界への突入よりも負世界からの帰還の方が簡単であると考えている。引力の働く世界から斥力の働く世界へ突入するよりも、斥力の働く世界から引力の働く世界へ帰還する方が容易だと考えられるからである。今後、負世界についての議論が進み、負世界からの帰還が容易であることが理論的に確実となったとき、宇宙大航海時代の扉が開かれることを祈る。

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