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新経済システムの利点

 以上のような新しいシステムを構築すると他にも次のような利点が生じる。
 税制改革が可能となる。すなわち、銀行は現金口座の記録に基づいて個人の収入の総額を税務署に報告する。そして、その個人は現金口座の記録に基づいて自分からプライバシーを公開して税金の控除を申請する。以上に基づいて税務署は累進課税を行う。その結果、税制がガラス張りになり、不公平税制が解消される。納税に関する作業の簡素化が可能となる。総合課税と実質的な納税者番号制(現金口座番号が相当する)の導入となる。これらを元にして累進税率等を望ましい方向に改革することが可能となる。所得の把握率が上がる代わりに税率を下げることとなろう。また、消費税についても消費を行ったときに消費税を消費者の現金口座から直接、政府の現金口座へ振り替える改善が可能となろう。脱税が困難になり、税収も増加するだろう。脱税をする権利などというものは存在しないのだから文句は言えない。
 現金口座の情報を犯罪捜査に利用することも可能となる。都市型社会化が進み、犯罪捜査の困難性は増している。当局の司法令状の入手を条件として、特定人の現金口座の記録内容を特定日時に限って当局が閲覧できる道などを開くべきだろう。
 将来余裕が生じれば(価値資本の贈与により日本経済が成長し規模が大きくなればなるほど、成長を維持するために贈与可能な金額は増大する)、価値資本の贈与を福祉にも振り向けて利用することが考えられる。すなわち、その年の経済状況に応じて福祉・医療(もちろん薬も買える)にだけに利用できる一定の金額の価値資本を国民に贈与する。しかも、価値資本でありながら、それを積み立てることと親族に譲渡することが可能とする。これを福祉価値資本と呼ぶことにする。これにより、積み立てた金額を老後に看護の費用などとして使えるようにするのである。そして、高齢化の進行と積み立ての状況に応じて資格試験に合格した福祉士を大量に養成するとともに福祉産業を育成する。しかし、福祉価値資本は、その年の経済状況に応じて与え、減額が可能なものとする。従って、福祉価値資本による景気調整も可能となる。
 現状では通常の価値資本による景気対策が優先されるが、日本経済がさらなる成長を遂げ、贈与可能な価値資本の金額に余裕が出来た場合、福祉価値資本を考慮すべきでろう。福祉価値資本は国民に対するボーナスと考えられる。新システムもあらかじめ福祉価値資本に対応したものにしておく必要があろう。
 新システムにより日本経済の三重苦は解決可能なのである。まず、新システムの導入により景気の低迷から脱却できる。それにより、不良債権の中から良好な債権に転化するものが現れ、金融システムの改革の実現がより容易になる。なおかつ、価値資本は財源を必要としないうえに、景気回復による税収の増加が見込めるので、財政赤字・政府債務の問題も解決可能となる。
 この新システムの長所を国民、国家、企業・小売店、銀行の立場から整理してみる。
 国民にとっては、電子マネーによって支払いが便利になるし、価値資本を受け取ることによって家計が楽になるし、税制が簡素化されるし、財産管理が効率化する。好景気が実現し、雇用も増大し、収入も増加する。
 国家にとっては、先進的なシステムを導入して景気対策となるし、財政も悪化させないので財政再建が可能となるし、納税事務が効率化するし、税収の増加があるだろうし、犯罪捜査が助けられるし、通貨を管理することも出来る。そして、日銀は景気対策の重荷を免れ、「物価と通貨の番人」の任務に専念できることになる。
 企業、小売店にとっては、消費が拡大するし、経済が成長しパイが大きくなるし、貨幣の扱いの繁雑さを免れるし、現金輸送の危険性が低下するし、税率の低下も見込める。
 銀行にとっては、貨幣の扱いの煩雑さを免れるし、現金口座を管理できて営業に生かせるし手数料も入る。従来のシステムが激変する訳ではない。不良債権が良好な債権に転化しうる。
 以上のように日本経済全体にとって計り知れないメリットがあるシステムである上に、現在の技術力で十分建設可能な現実的な政策である。盛んに行われている電子マネーや電子決済の実験で使用している技術を越える技術は必要としない。政府は国家事業として私の政策を推進すべきである。また、新システムの建設と同時に金融システムの安定化・不良債権の処理、行政改革などを行えば、日本経済が力強く再生し、更なる飛躍を遂げることは間違いないだろう。新システムの建設を公共投資として行えば、建設自体が景気回復策ともなる。
 そして、新システムの実施に当たってはコンピューターによるシミュレーションが欠かせないだろう。また、大きな改革となるので、実験をしてみることが必要かもしれない。北海道か、沖縄あたりはどうだろうか。北海道は広いので建設に手間がかかるが、産業に与える影響がよく分かるだろう。沖縄では建設に比較的手間がかからないだろう。先進的システムを理解させるために、建設には普及・指導活動が必要だろう。
 日本全土に新システムを建設した後も初めは現金口座からの貨幣の引き出しと現金口座への貨幣の入金を認め、しばらく後、現金口座からの貨幣の引き出しを禁止し、それからまたしばらく後の一定の期日をもって、現金口座への貨幣の入金も禁止するとともに、貨幣の強制通用力を奪って貨幣を無効化することになろう。この過程と同時に国外では国外でだけ使用可能な新しい貨幣への交換手続きを行う。
 日本国内の新経済システムが完成した段階では、将来的には日本国内には貨幣は流通せず、国外で流通する新貨幣は国内では銀行を通じて現金口座に入金することとなる。また、全世帯に最低一台端末が設置されることとなろう。パソコン購入や習得の補助を行うべきだろう。
 新システムには建設の必要があるため即座に価値資本を贈与することはできないというデメリットも存在する。相当程度のつなぎの従来の経済政策が必要だろう。しかし、新システムという希望を明日へつなぐ事ができる。私の経済政策は革新的だが確実な経済再生策である。日本国民は先進的システムに将来の希望を託せるだろう。

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