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「世界連邦による覇権の共同管理」の全文は、電子本「新社会解明」に掲載されています。




電子本「新社会解明」
          ─自由・ネット経済・世界連邦─        

著作者・著作権者 久保田英文(救世国民同盟代表)
販売元 でじたる書房
価格¥500(税込)

2007年5月18日に電子書籍店「でじたる書房
から発売開始になりました。
(発売のジャンルは「教養 / 社会・コミュニティー・環境」です。)


この電子本に収録した「世界連邦による覇権の共同管理」などは、
新たに整理と追加と推敲を施した最新版であり、
「まえがき」と「あとがき」を書き下ろして、読みやすいようにまとめました。
また、カラー写真を挿入してビジュアルを良くしました。


てじたる書房の「新社会解明」の頁はこちらです。



内容紹介

人を殺すのは自由?
援助交際は善?
リベラリズムは正義?
市場原理主義は最適?
世界連邦は空想?
この本がお答えします。
自由の本質。
自由の限界。
実現すべき経済。
目指すべき国際秩序。
水瓶座時代の新社会の姿が明らかになります。

2007年5月発売電子本「新社会解明」抜粋
★まえがき
目次
★第1章 自由の諸問題について
★第2章 新経済システムによる資本主義の補完
★第3章 世界連邦による覇権の共同管理
…………
◆第3節 平和と制度

 ここで世界連邦という恒久的平和をもたらす制度構想を案出する前提として、目指す「平和」という状態を考えてみることにする。平和な状態とは紛争が制度により解決されている状態だと考える。
 紛争の無い状態を典型的な平和とは考えない。人間が様々な価値観を持ち、有限の資源を求めて相互に競争せざるをえない以上、紛争の生じないことは考えられない。紛争の無い絶対的平和を想定することは現実的と考えられないからである。
 そして、紛争が場当たり的にも解決されれば平和かといえば、そうではない。幸いにもその場は解決されたとしても、制裁の威圧により次の大きな紛争が生じることを抑えるものではない。また、問題の原因を除去しえないと考えられるからである。そのとき限りの解決を指して一般的に平和な状態とすることはできない。
 固定された制度が安定的恒常的に紛争を解決していてこそ平和であると言える。そして平和のために紛争を解決する制度は共通の価値観や原理に基づき紛争当事者が公正なものと支持し、その制度による解決を公正なものとして遵守することが望ましい。また、制度による解決に従わないときに制裁を課すことにより、制度による解決に権威を付与することが効果的であり望ましい。
 現在求められている制度は、状況の流動化を全世界的に防止し安定した秩序と平和をもたらし、人類共通の問題に対処可能にするものである。すなわち地球上の諸国民を普遍的原理に基づいて統合する制度が必要であろう。地球は二百近い国家に分裂し、民族の独立の要求はきわめて強い。独立した国家のエゴイズムを押えられなければ、歴史は果てしない混乱に突入する恐れもある。国家のエゴイズムを押さえる統合の原理が必要なのである。EUに見られるような地域的統合の動きは見られる。今、最も求められているものは地域的統合の上に立って、全地球的統合を行う原理である。
 超大国の帝国支配の他に、地域共同体が世界に分立して勢力均衡に基づく利害調整が行われることが望ましいという立場がある。基本的に言って、正しいと考える。しかし、ここで、一九世紀の勢力均衡が第一次世界大戦の破局を迎え、その反省に立って国際連盟が設立されたが、それも無力だったので第二次世界大戦が勃発し、戦後、国際連盟を強化した国際連合を設立した歴史を考える必要がある。これは裸の勢力均衡ではうまく行かず、国際平和のための強力な国際機関が調整機関として望まれることを意味する。したがって、歴史的に見ても、地球規模で地域共同体が分立する状況にあって、裸の勢力均衡に頼ることは適当でないので、権威と権力を持った強力な世界政府がバランサーとして望ましいと言える。
 このバランサーとしては現在の国連では不十分である。地球統合の目的を達成し、東西対立を真に止揚するためには、国連に真の世界政府としての権力という魂を入れることが望まれる。世界政府という制度と権威・権力により問題を解決するのである。地域共同体は集まって盟約を結ぶことが望まれる。その際に各国は主権を一部譲渡し、連邦憲章を作成して、世界連邦を成立させることが望まれる。
 成立した世界政府は環境問題、宇宙開発等に対して全地球的に統一した政策を推し進める。環境問題に対して世界政府は、自国の産業を優先する国家に見られない態度をとり、全世界的見地に立って生態系にとり死活的な問題を優先するだろう。そして、環境問題解決の見地からする産業規制を推進し、調和の取れた地球環境が実現するであろう。世界政府による一元的宇宙開発の利益は全人類に還元されるだろう。また、南の貧困に対しては自国の経済的利益を追及する紐付き援助のようなものではなく、国の利害にとらわれない真に人道的援助が必要である。そのようなものとして世界政府が行なう人種、民族、国家にとらわれない国際援助こそ望ましい。
 歴史上、人類に対する重大な犯罪が、主権国家の名の下に行われてきた。主権の絶対性を相対化する世界連邦を構想することは、人類の幸福にとり必要なことなのである。平和を語ることが制度を考えることになる以上、諸問題解決に有効な世界連邦という理想の制度を語りその理想で人々を魅了し、その理想の方向に人を進ませることも、平和論であると考える。


◆第4節 世界政府の原理

 世界連邦という制度を支え、連邦憲章でうたうべき価値観は何に基づくのがよいであろうか。国民としての人間を保護するのではなく、人類の一員としての人間を保護するものである以上、国家にとらわれない人類共通の価値観に基づくことが望ましい。そのようなものとして、多元的民主主義と、人格的生存に不可欠な基本的人権尊重主義が考えられる。 多元的民主主義では、統治の権力の根拠が人間に存在し、その権力を党派的に競争する人間が人間の幸福のために保持するものである。多数の人間に根拠を持たない少数の決定を一元的に押しつける圧制や人道主義に根拠を置かない多数の圧制に対するもので、人類に普遍的に承認される政治原理と言えるであろう。
 そして、基本的人権尊重主義は、人間の幸福が個人として尊重されることに基礎を置いていることから導くことができる。その中でも、人格的生存に不可欠なものに限定したのは、倫理から見て他者の幸福も尊重しなければならない以上、全体との調和を考える必要があり、財産権等を絶対的に全世界的に保障することは不適切だからである。したがって、共産主義が敗北したとはいえ、資本主義的自由主義をその内容とし原理的に貫徹しようとすることには反対する。ここで人間の幸福を持ち出すのは、人間の幸福が、人間の生存に関する精神の間題に優位を認める以外は、政治の最上の目的だからである。したがって、自由市場経済を絶対的価値とは認めない。自由市場が万能でないことは明らかであるし、経済的平等の問題も重要だからである。
 さらに、平和主義の精神があげられる。暴力による問題の解決は出来る限り避けることが望ましい。
 このような価値観が支えるとき、諸国民が公正なものと支持し、世界政府は有効に機能すると考える。
 では、望ましい世界政府は具体的にはどのような形をとればよいであろうか。

…………
★第4章 自由原理主義と世界について
★あとがき

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